先月、電気代の請求書を見て「またか」と思ったばかりでした。
食品の値上げも、正直もう慣れてきたところがあります。
でも今回、水道の検針票を見て、僕は一瞬固まりました。
電気やガスは、プランを見直せば多少は抵抗できます。
でも水道は、契約先を選べません。
自治体が「上げる」と決めたら、住んでいる限り従うしかない値上げです。
2026年10月、この「逃げ場のない値上げ」が全国で本格化します。
今日はその中身と、家計としてできることを整理します。
神奈川県営水道、10月からついに累計22%水準に
神奈川県のホームページによると、神奈川県営水道は2024年10月・2025年10月・2026年10月と、3年連続で料金を引き上げています。
2024年10月に16%、2025年10月に19%、そして2026年10月には22%の水準まで、段階的に上がってきました。
対象は横浜市・川崎市など、神奈川県内で県営水道を利用する多くの自治体です。
つまりこれは今回だけの単発の値上げではなく、3年がかりで続いてきた改定の最終段階にあたります。
僕は関西在住なので直接の対象ではありませんが、この数字を見て、正直「3年で22%は重いな」と思いました。
月2,000円の水道代なら、単純計算で年に5,000円前後は負担が増えている計算になります。
札幌市の下水道使用料は、約30年ぶりの改定で22.6%
札幌市の公式サイトによると、札幌市の下水道使用料は2026年10月1日から平均22.6%引き上げられます。
下水道料金の改定は1997年以来、約30年ぶりとのことです。
1世帯あたりの負担増は、月200〜500円台になる見込みと報じられています。
改定の根拠として札幌市が示している計算式が興味深く、「令和11年度に見込まれる不足額(約41億7,300万円)÷同年度の使用料収入(約185億600万円)×100=22.6%」という、赤字を埋めるための逆算になっています。
老朽化した下水道管の更新費用が、直近10年間で維持管理費として33%増加していることも理由に挙げられています。
30年間据え置いてきたツケが、ここで一気に来た形です。
神奈川・札幌だけじゃない。今年すでに値上げした自治体も
水道料金の改定は、実は今年に入ってからすでに各地で起きています。
千葉県営水道は2026年4月から平均18.6%、松本市は同じく4月から平均20.11%、北見市は4月から13.40%、下関市は4月から平均20%の値上げをそれぞれ実施しました。
静岡市も2026年6月使用分から料金を改定しています。
つまり水道料金の値上げは、神奈川や札幌だけの特別な話ではなく、全国のあちこちで同時多発的に起きている現象ということです。
自分の住んでいる自治体が今のところ値上げの発表をしていなくても、「うちは関係ない」とは言い切れない状況だと感じています。
なぜ今、水道・下水道の値上げが相次いでいるのか
理由は大きく3つに整理できると思います。
1つ目は、水道管・下水道管そのものの老朽化です。高度経済成長期に整備された設備が更新時期を迎えていて、その工事費用が重くのしかかっています。
2つ目は、資材費・人件費の高騰です。工事に使う資材や、工事を担う人手のコストが、電気代や食品と同じように上がっています。
3つ目は、人口減少による使用料収入の減少です。水道は使う人数が減るほど1人あたりの単価を上げないと事業が維持できない、という構造を抱えています。
電気やガスは全国的なエネルギー価格の変動が主因ですが、水道はそれに加えて「地域ごとの人口動態」という、もう一つ別の要因を抱えているのが特徴だと感じます。
以前書いた電気・ガス補助が9月までで終わる話も、根っこにあるのは同じ「インフラ維持コストの上昇」です。エネルギーは補助金という国の支援がありましたが、水道にはそういった直接的な緩和策が今のところ見当たりません。
電気やスマホと違って、水道は「選べない」公共料金
僕は、電気の契約プランを見直したり、格安SIMに乗り換えたりする記事をこれまでいくつか書いてきました。
ただ、それらはすべて「事業者を比較して、自分で選べる」ことが前提の話でした。
水道は違います。
自分の住んでいる自治体が管理する水道局が、唯一の供給元です。
気に入らないからといって、隣町の水道局と契約し直すことはできません。
この「選べない」という一点が、水道料金の値上げが電気や通信の値上げと決定的に違うところだと思います。
対策の方向性も、必然的に「事業者を変える」ではなく、「使う量を減らす」か「自分の自治体の動きを早めに知っておく」かの2つに絞られてきます。
資材発注の仕事をしていて、正直思うこと
僕は製造業で資材の管理と発注を担当していて、老朽化した設備の更新費用というのは、正直かなり生々しく感じる話です。
うちの工場でも、古い設備の部品がもう製造中止で手に入らず、代替品を探すのに苦労することがよくあります。
先延ばしにするほど、後でまとめて費用が跳ね返ってくるというのは、仕事でも家計でも変わらん構造やなと思います。
札幌市の「30年ぶりの改定」という数字を見たとき、僕は「よう30年も据え置いたな」と、少し感心してしまいました。
同時に、据え置いた分のツケを、今の住民がまとめて払う形になるのは、正直しんどいなとも思います。
うちの実家(神戸)でも、数年前に古い給湯器の交換で急な出費があって、母が「もっと早く言うといてくれたら」とぼやいていたのを思い出しました。
インフラの更新は、目に見えないぶん後回しにされがちですが、いつか必ず請求書という形で戻ってくるものなんやと、今回の記事を書きながら改めて感じました。
今日からできること
大きな話ではありませんが、確認しておくと安心なことを3つ挙げておきます。
1つ目は、自分の自治体の水道局のサイトを一度検索してみることです。「〇〇市 水道料金 改定」で検索するだけで、値上げの予定があるかどうかはすぐに分かります。
2つ目は、直近の検針票を見て、使用量そのものを確認することです。トイレの大レバー・小レバーの使い分けや、洗濯のすすぎ回数の見直しなど、電気代の節約に比べると地味ですが、積み重ねれば確実に効きます。
3つ目は、自治体によっては多子世帯や生活保護世帯向けの水道料金減免制度がある場合があるので、対象になりそうな方は自治体の窓口やサイトで確認してみることです。全ての自治体にあるわけではありませんが、知らずに払い続けているケースもあると思います。
値上げそのものを止める手段は僕たちにはありませんが、固定費の全体を見直すなかで、水道も一項目として意識しておくだけで、家計簿への向き合い方は変わってくると思います。
実際に固定費を見直したときの体験でも書きましたが、電気や通信のように「切り替えれば効果が出る」項目と、水道のように「使い方を変えるしかない」項目を分けて考えると、優先順位がつけやすくなります。
こういう話が刺さらない人・気にしなくていい人
正直に書くと、この話がそこまで刺さらない人もいます。
賃貸で水道代が家賃や管理費にまとめて含まれていて、使用量による個人負担がない住まいの方は、今回の値上げの直接的な影響は受けにくいはずです。
単身世帯で、そもそも水道使用量が少なく、月々の水道代が数百円〜千円台前半という方も、22%の値上げがあっても金額としてのインパクトは限定的だと思います。
すでに自分の自治体の水道料金改定スケジュールを把握していて、対策も検討済みという方には、今回の記事は目新しい話がないはずです。
こういう方には、節水グッズを慌てて買い揃えるようなことは特におすすめしません。無理に何かを変える必要はなく、「うちはあまり影響を受けない構造なんだ」と確認できるだけでも、それはそれで収穫だと思います。
まとめ
神奈川県営水道は2024年10月・2025年10月・2026年10月と3年連続で値上げを続け、2026年10月には22%の水準まで上がります。
札幌市の下水道使用料は約30年ぶりの改定で、2026年10月から平均22.6%引き上げられます。
千葉・松本・北見・下関など、今年すでに値上げを実施した自治体も複数あります。
背景には、水道・下水道管の老朽化、資材費・人件費の高騰、人口減少による使用料収入の減少という3つの要因が重なっています。
電気やスマホと違って水道は契約先を選べないぶん、対策は「使用量を減らす」「自治体の動きを早めに把握する」の2つに絞られてきます。
一度、自分の住んでいる自治体の水道局のサイトを検索してみることから始めてみてください。
本記事は、2026年9月5日時点で公表されている神奈川県・札幌市の公式発表、および各種報道をもとに執筆しています。値上げの時期・改定率・対象地域は自治体ごとに異なり、今後変更される場合もありますので、最新情報はお住まいの自治体の水道局公式サイトをご確認ください。