2024年8月5日、起きたらスマホの通知がうるさかった。
積立NISAのアプリから「大幅な相場変動がありました」という通知。開いてみたら、含み益だったはずが一気に含み損に転落してた。
金額にして、マイナス38万円。
「いったい何が起きてんの」と思いながら、その日は仕事中もずっと頭から離れませんでした。
何が起きていたか
2024年8月5日は「歴史的な暴落」として記録される日になりました。
日本株(日経平均)が1日で-12.4%(4,451円安)という、過去最大の下落幅を記録しました。米国株も連動して大きく下落。
原因は諸説ありましたが、当日の情報は「何が起きているのか誰にも分からない」という状態でした。SNSは「リーマン越えか」「日本株終わり」「今すぐ全売りすべき」という声で溢れていた。
私の当日の状況:
- 元本(積立累計):約280万円
- 暴落前の残高:約348万円(含み益68万円)
- 8月5日の残高:約308万円(含み損なし・ただし1日で40万円消えた)
8月5日の段階では「含み益が68万円から30万円に減った」という状態でしたが、その後数日さらに下落して一時含み損(マイナス数万円)になりました。
売りたい衝動との戦い
「売って損を確定させたくない」「でもこのまま下がり続けたら……」
この2つが頭の中で交互にきて、しばらく何もできへんかった。
当時の心理状態を正直に書くと:
- 「40万円が消えた」という喪失感(論理的には含み益の減少だけど、感覚的には「失った」)
- 「まだ下がるんちゃうか」という恐怖
- 「今のうちに売れば被害を最小化できるのでは」という誘惑
- 「でも長期投資のはずやのに、売っていいんか」という葛藤
SNSを見たら「今すぐ全売り!」「底はまだ先だ」「いや買い増しチャンス!」という情報が大量に流れていて、余計に混乱しました。
結局、何もしなかった
何もしなかった、というのが正確ではありません。
やったこと:
- 毎月の積立(33,000円)をそのまま継続した
- アプリの残高確認を1日1回に制限した(それ以上見ない)
- 「暴落時の方針」を紙に書いて確認した
やらなかったこと:
- 売却・換金
- 積立の一時停止
- 余剰資金での大規模な買い増し(「チャンスだから追加」もしなかった)
「何もしない」という判断の根拠
売らなかった理由を整理すると、3つありました。
①事前に「暴落時の行動方針」を決めていた
「月の積立は止めない。含み損になっても最低5年は評価しない」
このルールを投資を始めた時点で決めて、ノートに書いていました。
暴落が来たとき「ルールを破るか維持するか」の判断は、「売るか売らないか」という判断より楽でした。「ルール通り動く」だけでよかったから。
ルールがなかったら、たぶんその場の感情で動いてたと思います。
②「5年以内に回復しなかった前例がほぼない」という事実
全世界株式インデックスに投資した場合、過去のデータでは5年以上保有すると元本割れの可能性は極めて低いとされています(※過去の実績が将来を保証するものではありません)。
リーマンショック(2008年)でさえ、5〜6年で回復しています。コロナショック(2020年)は数ヶ月で回復しました。
「今回が初めての”回復しない暴落”になるんちゃうか」という不安はありました。でもその可能性が低いという事実で、なんとか続けられました。
③「余裕資金で投資していた」こと
投資に使っていたのは、生活費とは別の余裕資金でした。
「この資金が半分になっても生活が破綻しない」という状態にしていたことで、感情的な判断を防ぎやすかった。
その後の経緯と結果
| 時期 | 残高 | 状況 |
|---|---|---|
| 2024年8月5日 | 約308万円 | 1日で40万円消える |
| 2024年8月底 | 約290万円 | 含み損(一時数万円のマイナス) |
| 2024年9月 | 約330万円 | 急速に回復 |
| 2024年10月 | 約360万円 | 暴落前の水準を回復 |
| 2024年12月 | 約410万円 | 過去最高値を更新 |
| 2026年5月 | 約480万円 | 元本350万円・含み益130万円 |
暴落から約2ヶ月で回復し、年末には過去最高値を更新していました。
「売っていたら」の試算:
- 8月5日に売っていた場合:308万円で確定
- 2026年5月現在との差:-172万円
売らずに続けた判断が、結果として正しかった。
暴落を乗り越えるための事前準備
この経験から、「暴落が来る前にやっておくべきこと」が明確になりました。
①「暴落時の行動方針」を事前に文書化する
「〇〇円以上の含み損になっても売らない」 「毎月の積立は暴落時でも継続する」 「SNSや金融情報を暴落中は意図的に見ない」
こういった方針を投資を始めた時点で決めて、紙かデジタルメモに保存する。
暴落時に「今売るべきか判断する」より、「事前に決めたルール通り動く」の方が正しい行動をとりやすい。
②生活防衛資金を確保してから投資を始める
生活費6ヶ月分の現金があれば、投資が大幅下落しても「すぐに換金しなければならない」という状況になりません。
「余裕資金での投資」が暴落耐性の最大の源泉です。
③情報を絞る
暴落時のSNSは「売れ」「買え」の声で溢れます。大半は根拠のない感情的な発信です。
「暴落期間中はSNSの金融情報を見ない」と事前に決めておく。または信頼できる1〜2の情報源だけに絞る。
含み損は「確定損」ではない
含み損と確定損は違います。
含み損: 保有中の評価額が取得原価を下回っている状態。「今売れば損」だが、回復すれば損失は消える。
確定損: 実際に売却して損失が確定した状態。回復しても関係ない。
売った瞬間に「含み損」が「確定損」に変わります。
売らない限り、損失は確定していません。時間が経てば回復する可能性があります。
「見たくない数字」を見たくないから売る、というのは「確定損を作る」行動です。どれだけ苦しくても、長期投資ではこれがいちばん避けるべき行動やと思います。
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本記事は2026年時点の情報に基づいています。投資はリスクを伴います。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。最新情報は金融庁の公式サイトをご確認ください。