引き出しから昔の通帳が出てきた。最後に使ったのは10年以上前で、まだお金が残っていそう。もう引き出せないのでしょうか。
休眠預金になっても、それだけでお金を受け取る権利がなくなるわけではありません。まず、預けていた銀行へ払戻しの相談をしてください。
ただし「ATMに入れれば出せる」「記帳すれば休眠を防げる」とは一律に言えません。僕が公式情報を比べて気になったのは、通帳記帳の扱いが三菱UFJ銀行とゆうちょ銀行で異なる点でした。
この記事は、本人名義の古い通帳を見つけた人向けに、2026年10月27日に確認した公式情報を整理したものです。実際に払戻しを受けた体験談ではありません。
10年というのは、お金を取り戻す期限ではありません
休眠預金等とは、10年以上、入出金などの取引がない預金等のことです。原則として、2009年1月以降に最後の取引があったものが対象になります。
このお金は預金保険機構へ移され、民間の公益活動に活用されます。「移管」は管理する先を移すこと。預金者が払戻しを求められなくなる、という意味ではありません。
金融庁は、休眠預金等の引き出しに期限はないと案内しています。相談先も、公益活動を行う団体ではなく、もともと預けていた金融機関です。
たとえば、昔の給与口座の通帳に3万円と記帳されていた、という仮定で考えます。10年使っていないからといって、その3万円を自分で「もうゼロだ」と決める必要はありません。ただし、通帳の数字が現在の残高と同じとは限らないので、残高と口座の状態を銀行に調べてもらいます。
出典:金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」の「休眠預金等について」「お引き出し手続きについて」。
「記帳だけしておこう」は、どの銀行でも同じではない
まだ休眠預金になっていない口座なら、何をすると取引があった扱いになるのかも気になります。
銀行の案内に出てくる「異動」は、休眠かどうかを判断する際に数える取引などのこと。通帳を開いて残高を見ることと、銀行が異動と認めることは別です。
| 公式案内で比べる項目 | 三菱UFJ銀行 | ゆうちょ銀行 |
|---|---|---|
| 通帳記帳 | 一部の例外を除き、記帳だけでは利用があったとはみなさない | 異動事由に通帳記帳を含む |
| 銀行からの利息・利子の入金 | 一部の例外を除き、利用があったとはみなさない | 入金等の異動事由から当行による利子支払いを除く |
| すでに休眠になった場合 | 通帳・カードは利用できず、本支店窓口で手続き | ATM・ゆうちょダイレクトが利用できなくなる場合があり、貯金窓口で手続き |
これは各行が案内する対象預貯金についての比較です。他行や別の商品へ、そのまま広げないでください。
たとえるなら、家にある通帳は記録のノートです。そのノートを更新したことを「口座を使った」と数えるかは、銀行のルールで決まります。
利息が入っているから大丈夫、とも決められません。僕なら、今後も使う口座かを先に考え、使うなら銀行の「休眠預金」「長期間利用のない口座」の案内で対象取引を確かめます。すでに休眠になった口座を、記帳だけで元に戻せるという話ではありません。
出典:三菱UFJ銀行「長期間使用していない預金等のお取扱いについて」、ゆうちょ銀行「休眠預金等活用法に係るお取り扱いについて」。
通帳や印鑑がなくても、相談を諦めなくてよい
三菱UFJ銀行は、通帳・証書・キャッシュカード・取引印が見当たらなくても、本人の預金と確認できれば払戻しができると案内しています。
その場合は、有効期限内の本人確認資料に加え、支店名や口座番号が分かるものなどを用意し、窓口へ相談する流れです。何が必要かは、来店前に銀行へ確認してください。三菱UFJ銀行は来店予約も案内しています。
「書類が一つないから受け取れない」と、自分で判断しなくて大丈夫です。 必要な確認や手続きは口座の状態で変わり、支払いまで日数がかかる場合もあります。今日使う生活費をすぐ出せる前提にはしないほうが安心です。
ゆうちょ銀行の場合は、休眠貯金の手続きをゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で案内しています。三菱UFJ銀行の持ち物をそのまま当てはめず、ゆうちょへ確認します。
出典:上記の三菱UFJ銀行「長期間使用していない預金等のお取扱いについて」と、ゆうちょ銀行「休眠預金等活用法に係るお取り扱いについて」。
この説明をそのまま当てはめないほうがよいケース
とくに注意したいのは、2007年10月1日の郵政民営化より前に預けた定額・定期などの郵便貯金です。金融庁は、これらの定期性の郵便貯金は休眠預金等の対象ではないと説明しています。
「休眠預金に引き出し期限はない」という説明を、古い郵便貯金すべてに当てはめないでください。通帳や証書の商品名と預入日を見て、ゆうちょ銀行などの公式窓口へ別途確認する必要があります。
また、亡くなった家族名義の口座は、この記事の本人による払戻しとは別に相続の手続きが関わります。家族のカードで引き出す前提で進めず、名義人が亡くなっていることを銀行へ伝えてください。
外貨預金など、そもそも休眠預金等の制度の対象でない商品もあります。「古い通帳」というだけでは、適用されるルールは決まりません。
制度の対象と対象外の出典:金融庁の対象預金等の説明。
まずは、銀行名と名義人を確認する
古い通帳を見つけたら、次の順番なら相談の準備を進めやすくなります。
- 銀行名・商品名・名義人を読む。 本人名義か、普通預金なのか定期性の商品なのかを確認します。古い銀行名なら、引継先を公式サイトで調べます。
- 支店名・口座番号と手元の書類を整理する。 通帳・カード・届出印・本人確認書類があるかを確認。紛失しているものもメモします。
- 銀行へ事前に問い合わせる。 「長期間使っていない本人名義の口座。残高確認と払戻しを相談したい」と伝え、必要書類・窓口・予約・日数を聞きます。引っ越しや改姓があれば、それも伝えてください。
- 払戻し後も使うかを相談する。 お金を受け取れることと、同じ口座番号で使い続けられることは別です。不要なら解約も含め、銀行に手続きを確認します。
口座を残すか迷ったら、銀行口座を役割ごとに整理する考え方も参考にしてください。数を増やすより、どのお金がどこにあるか分かる状態を目指したいですね。
今日やることは、まず通帳の銀行名と名義人を読むところからで十分です。残高の数字だけ見て諦めず、相談先を一つ確かめてみてください。
免責事項:本記事は一般的な情報の提供を目的としています。本記事は2026年10月27日に確認した公式情報に基づきます。取扱条件は変更される場合があります。対象商品・必要書類・利用再開の条件は金融機関や口座の状態で異なります。実際の手続き前に取引先金融機関の公式案内をご確認ください。