前回の記事で、楽天モバイルのauローミングが2026年9月末で終わる話を書きました。
書いたあと、コメントで「じゃあ結局どこに乗り換えたらいいの」と聞かれて、正直すぐには答えられませんでした。
候補は主に2つです。
UQモバイルと、Y!mobile。
どちらも大手キャリアのサブブランドで、値段も似たり寄ったりに見えます。
でも回線の仕組みを調べていくと、この2つはかなり性格が違うことが分かりました。
今日はその違いを、公式情報だけで整理します。
この記事でわかること
- UQモバイルとY!mobileで、そもそも使っている回線が違うという話
- 「35GBクラス」で料金を並べたときの実際の差
- 多くの比較記事が触れていない、年会費11,000円のカードの話
- 結局どちらが向いているか、条件別の整理
まず前提:自分が対象かどうか
今回困るのは、楽天モバイルの電波が届きにくいエリアに住んでいて、いままでauの電波を間借り(ローミング)することでなんとか通信できていた人です。
都市部で普段から楽天回線が問題なく入っている人には、正直あまり関係のない話です。
自分が対象かどうかの確認方法は前回の記事にまとめているので、まだの人はそちらを先に見てください。
ここから先は、「乗り換えたほうがよさそうだ」と判断した人向けの話になります。
一番大事な違い:そもそも回線そのものが別物
比較表を見る前に、これだけは知っておいてほしいことがあります。
UQモバイルとY!mobileは、使っている電波(回線)の会社が違います。
UQモバイルはKDDI、つまりauと同じグループの回線です。
言い換えると、いままで楽天モバイルが「借りていた」auの電波を、UQモバイルは最初から自分の電波として使っています。
これまでローミングで届いていた場所は、UQモバイルに乗り換えれば、そのままの状態で使える可能性が高いということです。
むしろ、借り物ではなく本来の契約者として使う分、通信が混み合ったときに優先度が下がるようなことも少なくなるはずです。
一方のY!mobileは、ソフトバンクの回線です。
au系の電波とは基地局の配置がまったく別なので、「auローミングでは入っていたけどY!mobileでも入るとは限らない」というのが正直なところです。
つまり、“いまの電波の入り方をそのまま維持したい”なら、選ぶべきはUQモバイルのほうが理屈に合っています。
この一点だけでも、多くの比較サイトの「どっちも安い格安SIMです」という書き方より、判断材料になるはずです。
料金を並べてみる:35GBクラスで比較
回線の違いを踏まえたうえで、料金も見ておきます。
似た容量帯として、UQモバイルの「コミコミプランバリュー」(35GB)と、Y!mobileの「シンプル3 L」(35GB)を並べます。
数字はどちらも各社公式サイトで確認したものです。
| UQモバイル(コミコミプランバリュー・35GB) | Y!mobile(シンプル3 L・35GB) | |
|---|---|---|
| 何も条件を満たさない場合 | 3,828円 | 5,478円 |
| 最初の割引適用時 | 3,168円(加入から最大13ヶ月・無条件) | 4,928円(PayPayカードゴールドのみ) |
| フル割引適用時 | 3,168円(14ヶ月目以降・au PAYゴールドカード必須) | 2,778円(PayPayカードゴールド+おうち割光セットA) |
条件なしで見ると、UQモバイルのほうが1,650円安いことが分かります。
年間にすると、約2万円の差です。
ただし、この表には多くの比較記事が省略している落とし穴が2つあります。
見落とされがちな落とし穴:どちらも「ゴールドカード」に年会費がかかる
UQモバイルの14ヶ月目以降の3,168円も、Y!mobileのフル割引2,778円も、実は同じ条件を必要とします。
それが「ゴールドカード」の保有です。
- UQモバイル:au PAY ゴールドカード(年会費11,000円)
- Y!mobile:PayPayカード ゴールド(年会費11,000円)
どちらも年会費が11,000円かかります。
つまり、単純に「月額が安い」という数字だけを見て決めると、あとから「実は年1万1千円のカードとセットだった」と気づくことになります。
資材の発注をしていた経験から言うと、これは「初期費用だけ見て、あとから効いてくるコストを見落とす」典型的なパターンです。
見積書の1行目の金額だけで判断して、あとで別途費用が積み上がって痛い目を見たことが僕には何度もあります。
年会費11,000円を月換算すると約917円なので、ゴールドカードを維持してまで割引を受ける価値があるかどうかは、そのカード自体を普段使うかどうかで判断すべきです。
au PAYやPayPayを普段からよく使っていて、ポイント還元などカード本体のメリットも享受できるなら話は別ですが、「割引のためだけ」にゴールドカードを作るのは、正直あまりおすすめできません。
さらにY!mobileの2,778円には、もう一つ条件があります。
おうち割光セットAは、自宅の固定回線がソフトバンク光かソフトバンクAirであることが前提です。
つまり、いまソフトバンク光・Airを契約していない人にとって、2,778円という数字は事実上手が届かない数字だということになります。
現実的な比較:条件を持っていない人はどうなるか
「ゴールドカードもソフトバンク光もない、ふつうにスマホ代を払っているだけの人」という前提で比較し直すと、こうなります。
- UQモバイル:最初の13ヶ月は無条件で3,168円。14ヶ月目以降はカードなしなら3,828円に戻る
- Y!mobile:割引条件がまったくなければ、ずっと5,478円のまま
条件を何も持っていない人にとって、UQモバイルは最初の13ヶ月間だけでも確実に安く、14ヶ月目以降も5,478円のY!mobileよりは安い水準(3,828円)を維持できます。
ここに、最初に書いた「回線がそのままの場所で使える」というメリットも重なります。
つまり、auローミングが終わることに困っている人にとって、素直に選ぶならUQモバイルのほうが分がいいというのが、数字と回線構成の両面から見た僕の判断です。
それでもY!mobileが向く人
逆にY!mobileが向くのは、次のような人です。
- すでにソフトバンク光かソフトバンクAirを自宅で契約している人(おうち割光セットAで2,778円が現実的な選択肢になる)
- 家族に他社スマホの利用者がいて、家族割引を別途組み合わせられる人
- 店舗数の多さ(Yahoo!ショップ・ワイモバイルショップ)を重視して、対面サポートを受けたい人
ソフトバンク光・Airの契約者にとっては、Y!mobileが結果的に一番安い選択肢になりうることも、正直に書いておきます。
回線を最優先するか、固定回線とのセット割を最優先するかで、答えが変わる比較だということです。
この比較記事が向かない人
念のため、この記事が向かない人も書いておきます。
- そもそも楽天モバイルの電波が普段から問題なく入っている人(乗り換えの必要自体がない)
- 通話をほとんどせず、データ専用プランで足りる人(今回は音声プラン前提の比較のため、povoなどの選択肢のほうが安くなる場合があります)
- すでにドコモ・au・ソフトバンクの家族割引プランに家族全員でまとまっている人(そちらを崩すコストのほうが大きいことが多い)
今日確認できること
乗り換える前に、次の3つだけ先に確認しておくと安心です。
- 自分の家に固定回線(光・Air)が何を使っているか(ソフトバンク系なら、Y!mobileのおうち割が現実的な選択肢に入る)
- 普段使っているクレジットカードの決済額(年会費11,000円のゴールドカードを作る価値があるかどうかの判断材料になる)
- いまの楽天モバイルの解約金・違約金の有無(プランによっては解約金がかからないので、事前に自分の契約内容を確認しておく)
UQモバイル・Y!mobileとも、乗り換え自体はオンラインで完結できる手順が用意されています。
Y!mobileへの具体的な乗り換え手順はこちらの記事にまとめています。
そもそも大手キャリアから格安SIM全体に乗り換えると年間いくら変わるのかは、こちらの記事で試算しています。
まとめ
- UQモバイルはau回線、Y!mobileはソフトバンク回線と、そもそも使っている電波が違う
- auローミングが届いていた場所をそのまま維持したいなら、理屈のうえではUQモバイルが分がいい
- 料金は条件なしならUQモバイルが1,650円安いが、両社ともフル割引には年会費11,000円のゴールドカードが必要という共通の落とし穴がある
- Y!mobileが本当に安くなるのは、ソフトバンク光・Airを契約している家庭に限られる
- 条件を何も持っていない人は、素直にUQモバイルを選ぶほうが実利がある
見出しの月額料金だけを見て決めず、自分がゴールドカードや固定回線の条件に当てはまるかどうかまで確認してから決めるのが確実です。
Y!mobile(Yステーション)
ソフトバンク回線でつながりやすい。ソフトバンク光・Airとのセット割でさらに安くなる。オンライン申し込みで事務手数料無料。詳細を確認する。
本記事は2026年9月時点の各社公式サイト・公式ヘルプページの情報に基づいています。料金・割引条件は変更される場合があるため、契約前に必ず各社公式サイトで最新情報をご確認ください。