5月の給与明細を見て、「あれ、なんか知らん項目が増えとう…?」となった人、いませんか。私は同僚に「これ何の天引き?」と聞かれて、うまく答えられませんでした。悔しかったので調べ倒しました。
正体は**「子ども・子育て支援金」**。2026年4月から始まった新しい負担で、医療保険(健康保険)の保険料に上乗せする形で徴収されています。SNSでは「独身税」なんて呼ばれ方もしていますが、実際の仕組みはだいぶ違います。
この記事では、これが何のためのお金で、あなたの給料からいくら引かれていて、今後いくらまで増えるのかを、給与明細レベルで整理します(2026年現在の情報です)。
まず結論:2026年度は年収400万円で月384円
先に金額から。会社員(被用者保険)の場合、2026年度の支援金率は標準報酬月額の0.23%。これを会社と本人で折半するので、本人負担は0.115%です。
年収別の本人負担の目安(月額)はこうなります。
- 年収200万円 → 月192円
- 年収400万円 → 月384円
- 年収600万円 → 月575円
- 年収800万円 → 月767円
- 年収1,000万円 → 月959円
医療保険の加入者1人あたりの全国平均では月250円(年3,000円)程度の見込みです(2026年度)。「缶コーヒー1〜2本分」と言えば小さく聞こえますが、ポイントはこれが始まりの金額だということ。後述しますが、段階的に引き上げが予定されています。
何のためのお金?——児童手当の拡充などの財源
子ども・子育て支援金は、少子化対策の財源として作られた仕組みです。集めたお金の使いみちとして挙げられているのは:
- 児童手当の拡充(所得制限の撤廃・高校生年代まで延長・第3子以降は月3万円)
- 妊娠・出産期の支援(妊婦のための支援給付など)
- **「こども誰でも通園制度」**など保育サービスの充実
- 育児休業給付の充実
つまり、2024年から先行して拡充されてきた子育て給付の「財源の後払い」が、この支援金です。給付が先・負担が後で来た、という順番ですね。
児童手当がどれくらい拡充されたかは、こちらの記事で詳しく整理しています。もらう側の変化とセットで見ると、この制度の全体像がつかめます。
「独身税」って呼ばれてるけど、実際は違う
SNSで広まった「独身税」という俗称。気持ちは分かりますが、仕組みとしては正確ではありません。
- 子どもがいる人も、いない人も、全員が払います(医療保険の加入者全員)
- 独身者だけを狙った税ではなく、医療保険料への上乗せという形
- 一方で、給付を受けるのは主に子育て世帯なので、「子どものいない人には負担だけ」という感覚が俗称の由来
制度の理屈としては「少子化が進むと年金も医療も支え手が減って全員が困る。だから全員で子育てを支える」という設計です。この理屈に納得するかどうかは人それぞれやと思いますが、負担の事実と金額は知っておいて損はありません。
給与明細のどこに出る?
会社員の場合、2026年5月支給の給与から天引きが始まっています(4月分保険料から拠出のため)。
見え方は勤め先の給与システムによって異なります。
- 「子ども・子育て支援金」という独立した項目で表示される場合
- 健康保険料に合算されて表示される場合(この場合、健康保険料が少し上がったように見える)
「明細に項目がないから引かれていない」とは限りません。健康保険料の金額が2026年4月〜5月を境にわずかに増えていたら、それが支援金です。気になる人は、標準報酬月額×0.115%を計算してみると、増えた分とほぼ一致するはずです。
なお、賞与(ボーナス)からも同じ率で徴収されます。また、自営業・フリーランスの人は国民健康保険の保険料に、75歳以上の人は後期高齢者医療の保険料に、それぞれ上乗せされます。専業主婦(夫)など被扶養者は追加負担なしです。
ここが大事:負担は段階的に増える
2026年度の0.23%は「初年度料率」です。制度設計上、支援金の総額は2026年度0.6兆円→2027年度0.8兆円→2028年度1兆円と段階的に引き上げられることが決まっています。加入者1人あたりの全国平均でみると、2026年度 月250円 → 2027年度 月350円 → 2028年度 月450円程度(こども家庭庁の試算)と、2年で負担がほぼ倍になる見込みです。
つまり、いま年収600万円で月575円の人は、2年後にはざっくり月1,000円前後の負担になっている可能性があります。年間で1万円強。無視できるほど小さくはない、けれど家計が壊れる額でもない——そういう規模感です。
大事なのは、社会保険料はこうやって「少しずつ・気づかないうちに」増えていくということ。給与明細を年1回でも見比べる習慣があるだけで、手取りの変化に気づけるようになります。
給与明細のどこを見ればいいか分からない人は、給与明細の読み方の記事からどうぞ。天引きの全体像がつかめます。
よくある質問
Q. パート・アルバイトも払う?
A. 勤め先の健康保険に加入している人は対象です(標準報酬月額に応じた負担)。配偶者の扶養に入っている人(被扶養者)は、追加の負担はありません。
Q. 会社は何か手続きが必要?
A. 保険料と一緒に徴収されるため、従業員側の手続きは不要です。天引き額の計算・納付は会社と保険者(健保組合・協会けんぽなど)が行います。
Q. 拒否したり、減らしたりできる?
A. できません。医療保険料の一部として法律に基づき徴収されるためです。節約の観点では、この負担そのものより、自分でコントロールできる固定費(通信費・保険・サブスク)を見直すほうが確実に効きます。
Q. 子育て世帯にはプラスなの?
A. 給付側(児童手当拡充など)の恩恵が負担を上回るケースが多いです。たとえば児童手当は第3子以降月3万円・高校生年代まで延長されており、子ども1人あたり年間十数万円規模の給付増。一方の負担は年数千円なので、子育て世帯には差し引きプラスの設計です。
まとめ
- 2026年4月から「子ども・子育て支援金」開始。医療保険料への上乗せで、5月給与から天引きされている
- 2026年度の率は0.23%(労使折半)。年収400万円で月384円、平均は月250円程度
- 使いみちは児童手当の拡充など子育て支援の財源
- 「独身税」は俗称。全員が負担し、被扶養者は追加負担なし
- 2028年度には平均月450円程度まで段階的に増える見込み。給与明細を見比べる習慣を
正直、月数百円の話です。でも「知らないうちに引かれているお金」を「知っていて払うお金」に変えるだけで、家計への向き合い方は変わります。今月の給与明細、健康保険料の欄だけでも見てみてください。
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本記事は、NISA・家計改善を実践する会社員が、自身の経験と公的機関の情報をもとに執筆しています。
本記事は2026年7月時点の制度に基づいています。子ども・子育て支援金の制度内容・料率はこども家庭庁の公表資料によります。料率・金額は年度や加入する医療保険によって異なり、変更される場合があります。最新情報は公式サイトおよび加入先の保険者にご確認ください。