「iDeCoは節税になる」という話は聞いていたけど、「じゃあ自分の場合いくら節税できるのか」が分からなくて1年以上始められない時期がありました。
調べてみたら、想像より大きい数字でした。年収480万円で年間72,000円。月換算で6,000円の節税効果。
計算方法と実際に始めてから変わったことを書きます。
iDeCoの節税の仕組み
iDeCoの掛金は「全額所得控除」になります。
所得控除のメカニズム:
- iDeCoに月20,000円積み立てると、年間240,000円が所得控除になる
- 課税所得が240,000円減る
- その240,000円分にかかるはずだった所得税・住民税が返ってくる
シンプルに言うと「積み立てたお金の分だけ、今年の税金が安くなる」ということです。
節税効果の大きさは、自分が適用される「所得税率」によって変わります。
年収別の所得税率(2026年現在)
所得税は「所得が高いほど税率が上がる」累進課税です。
| 課税所得 | 所得税率 |
|---|---|
| 195万円以下 | 5% |
| 195万円〜330万円 | 10% |
| 330万円〜695万円 | 20% |
| 695万円〜900万円 | 23% |
| 900万円〜1,800万円 | 33% |
※住民税は一律10%
年収と「課税所得」は異なります。課税所得は年収から給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除などを差し引いた後の金額です。年収500万円の場合、課税所得は概算で200〜250万円程度になります。
年収別の節税額(月2.3万円・月2万円で比較)
会社員(企業型DCなし)の拠出限度額は月23,000円(年276,000円)です。
月2.3万円(上限まで)拠出した場合の年間節税額:
| 年収 | 所得税率 | 節税額(所得税) | 節税額(住民税) | 合計節税額 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 5% | 約13,800円 | 約27,600円 | 約41,400円 |
| 400万円 | 10% | 約27,600円 | 約27,600円 | 約55,200円 |
| 500万円 | 20% | 約55,200円 | 約27,600円 | 約82,800円 |
| 600万円 | 20% | 約55,200円 | 約27,600円 | 約82,800円 |
| 700万円 | 23% | 約63,480円 | 約27,600円 | 約91,080円 |
| 800万円 | 23% | 約63,480円 | 約27,600円 | 約91,080円 |
※概算。各種控除状況により異なります。
月2万円拠出した場合(年240,000円):
| 年収 | 合計節税額 |
|---|---|
| 300万円 | 約36,000円 |
| 400万円 | 約48,000円 |
| 500万円 | 約72,000円 |
| 600万円 | 約72,000円 |
| 700万円 | 約79,200円 |
私の場合(年収480万円・月2万円)
年収480万円のとき、iDeCoを月20,000円で始めました。
所得税率20%・住民税10%で計算:
節税額 = 年間掛金240,000円 × (所得税率20% + 住民税率10%)
= 240,000円 × 30%
= 72,000円
実際の節税の現れ方:
- 毎月の給与の所得税が減少(年末調整 or 確定申告で精算)
- 翌年6月からの住民税が月6,000円安くなる
住民税の通知書(毎年6月に届く)を見たとき、iDeCo開始前と比べて月5,800円安くなっていました。
「月2万円積み立てているのに、実質の手取り負担は月1.4万円(2万円 - 0.6万円)」という感覚になった。
iDeCoを始めるまでの疑問と答え
1年以上迷っていた間の「疑問と調べた結果」をまとめます。
Q:60歳まで引き出せないのは不安では?
正直、最初は一番の懸念でした。
でも「老後資金として絶対に使う予定のお金」として割り切れば、60歳まで引き出せないことはデメリットではなくなります。
逆に「60歳まで引き出せない制約がある」から、「緊急時に崩す誘惑がない」とも言えます。
判断基準:生活防衛資金(6ヶ月分)が確保できている状態で、iDeCoに回す資金は「老後まで使わないお金」として確保できるかどうか。
Q:会社に企業型DCがあるけどiDeCoもできる?
2022年10月の法改正で、企業型DC加入者でもiDeCoに加入できるようになりました。ただし掛金の合計に上限があります。
まず会社の人事部に「企業型DCの掛金上限」を確認してから申し込む。
Q:NISAとiDeCoどちらが先?
一般的には「NISA優先、余裕があればiDeCo追加」が多くの人に合っています。
理由:NISAはいつでも引き出せる(緊急時に使える)。iDeCoは60歳まで不可(流動性がない)。
生活防衛資金 → NISA積立安定 → iDeCoの順番が安全です。
Q:始めるのに手間がかかる?
会社員の場合、「事業主証明書」を会社(人事部)に書いてもらう必要があります。これに1〜2週間かかることがあります。
それ以外はオンラインで手続きできます(証券会社に口座開設 → 書類郵送 → 審査)。
申し込みから積立開始まで1〜2ヶ月程度かかることが多い。
iDeCoを始めて2年間の実績
私の実績:
| 期間 | 月額積立 | 累計元本 | 累計節税額 | 運用残高 |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 20,000円 | 240,000円 | 72,000円 | 268,000円 |
| 2年目 | 23,000円 | 516,000円 | 144,600円(2年合計) | 603,000円 |
2年間の積立:元本516,000円に対して残高603,000円(含み益87,000円)。
さらに節税効果144,600円が加わり、「実質的な資産増加」は合計230,000円以上になります。
「節税 + 運用益」の両方が乗っかる制度は他にあまりありません。
iDeCoの節税効果を最大化するために
節税効果を最大化するための3つのポイント:
①できるだけ早く始める
今年始めれば、今年の年末調整(または確定申告)から節税効果が出ます。1年遅れると、その年分の節税(年5〜8万円)が丸ごと消えます。
②掛金は「上限に近い金額」から始める
余裕があるなら、最初から上限(月23,000円)に近い金額で始める方が節税効果が大きい。余裕に応じて月10,000〜23,000円で調整。
③商品は「低コストの株式インデックスファンド」一択
iDeCoの節税効果は「入口(積立時)」で確定しますが、運用利益も非課税なため「増えるほどお得」です。
低コスト(信託報酬年0.1%以下)の全世界株式または米国株式インデックスファンドを選ぶのが基本。
1年以上迷っていた間にかかった機会損失
私が1年迷った間(月20,000円を始めなかった期間)の機会損失:
- 節税:72,000円
- 運用益(年利5%試算):約6,000円
- 合計:約78,000円の機会損失
「1年迷ったから78,000円損した」という計算になります。
「迷っている間にやってしまう」ことの大切さを、数字で感じました。
関連記事
- iDeCo【2024年12月改正対応】会社員の掛け金上限・節税効果・始め方を完全解説
- iDeCo vs 新NISA どちらを優先すべきか
- iDeCoは受け取り方で税金が大きく変わる——一括・分割・退職金との関係を整理した
本記事は、NISA・iDeCo・家計改善を実践する会社員が、自身の経験と公的機関の情報をもとに執筆しています。
本記事は2026年時点の税制・iDeCo制度に基づいています。所得税率・控除額は変更される場合があります。最新情報は国税庁・国民年金基金連合会の公式サイトをご確認ください。